たびんちゅ。

【Day120】スリスリスルリ

2018年8月8日
14カ国目:【エチオピアアディスアベバ


魚が食べたい。


俺はそのとき宿で出会った旅人に借りた地球の歩き方を読んでいた。次の目的地を探すためペラペラとエチオピアのページをめくっていると「アワサ」という街の名前が目に留まった。

湖のほとりにある小さな街。そこでは新鮮な魚の素揚げが食べられるらしい。
普段はそんなに魚に興味はないのだが、その魚の写真がすこぶるうまそうだったので魚を食べにアワサへ行くことに。


宿の住人からバスステーションまでの行き方を教えてもらい、昼前に出発した。
バス停までは歩いて30分くらいの距離だったので徒歩で向かう。


真昼間の大通りを歩いていると、いろんな人が話しかけてくる。
大体は、「チャイナ!」だ。
「こんにちは。」と華麗に返事をしながら歩いて行く。


そんなとき突然若者二人組に思い切り左腕を掴まれた。
なんだこいつ。真顔だし。
全然離してくれないのでこちらも思い切り振り払う。

どうにか振りほどき歩きだしたとき、俺は気づいた。
ケータイがない。
1人が痛みで注意を引きもう1人が盗んだらしい。


とっさに盗んだであろう奴に言った。

「ケータイ返せ。」

「何のことだ。」

たしかに持ってない。
だが俺の第六感は気づいていた。盗まれた瞬間にすれ違ったもう1人の男にもうすでに渡してることに。こいつらは3人組だ。


そいつを追いかけようとしたとき、俺は思い出した。
去年コロンビアで俺と同じ大学生がスマホを取られて、犯人を追いかけて撃たれて亡くなったニュースを。

ここは南米じゃないけど追いかけたらナイフとかで刺されそうな気がする。
その瞬間、俺は即決でスマホを諦めた。
そんなものくれてやる。どうせ2年半くらい前のだし、GPS正常に動かないし、フリーズめっちゃするし、ヒビも入ってる。データのバックアップもほぼ完ぺきだ。
保険で新しいの買おう。


旅慣れて警戒が緩んでいたときに訪れたアフリカの洗礼。
通りすがりの人が皆俺を狙っている気がする。
疑心暗鬼になった俺は、魚の素揚げを諦めて、アディスアベバの警察署を探し歩いていた。




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