たびんちゅ。

【Day70】女好き

2018年6月19日
6カ国目:【トルコ】イスタンブール

アジアとヨーロッパが交差するユーラシア大陸随一の大都会イスタンブール
ボスポラス海峡により隔てられたヨーロッパ側に俺はいた。



港にはカモメが飛び交い、二階建てのガラタ橋では平日の昼間にも関わらず地元のおっさんが釣りをしている。


昨日は世界一美しいと言われるブルーモスクへ行ったり、旧市街をぷらついていた。



今日は黄熱病の予防接種を受けるため新市街へ出かけたが、噂通り有料になっていたので諦める。
昼飯にケバブを買い、タクシム広場で黄昏ていた。


「何しようか。」


タクシム広場のフリーWi-Fiで情報を探す。
するとどうやらこのあたりにイスタンブールにしては良心的な価格のトルコ風呂、ハマムがあるらしい。

ハマムにはジョージアトビリシにいた時から行きたかったが結局行けてなかったので、行ってみることに。


20分ほど歩いて発見。



ローカルな感じがいい。
中に入り定番のアカスリと泡マッサージを頼む。
その後バスタオル一枚になり浴室へ入った。
日本でいう三助に呼ばれるまで、10分ほどここで体を温める。

初めてなのでキョロキョロ周りの様子を伺っていると、1人のおっちゃんがとなりに座った。
そしてかけ湯のやり方を教えてくれる。
有難い。

そんなことを思っているとおっちゃんが付いて来いと言ったのでついていくとサウナがあった。


「こんなのもあるんだ〜。」


中へ入る。
するとおっちゃんが隣に座れと言って手を引っ張ってくる。

この辺から異変に気付いた。こいつまさか...。
残念なことに俺にそっちの趣味はないのでおっちゃんの手を振り払って対面の席に座る。


熱い視線を感じながらもしばらく座っていると、前に座っているおっちゃんが腰に巻いたバスタオルをまくりあげた。
ビンビンだ。
そして右手で掴みシゴキはじめた。


「まじかこいつ笑」


ちょうどその時サウナのドアが開いて別のおっちゃんBが入ってきて俺の後ろに座った。
最初のおっちゃんAは焦ってイチモツを隠す。
助かったと思い後ろを軽く振り返ると、おっちゃんBもまた息子をしごいていた。
それに安心したのか最初のおっちゃんAも再開。


「え、ここそういうとこなの!?」


と一瞬思ったがそんな話は聞いたことがない。
もしそんな場所なら真っ先にバックパッカーの間で噂になるだろう。

逃げた方がいいかなと考えていると、またドアが開き新しいおっちゃんCが登場。AとBは急いで隠す。
警戒していたがおっちゃんCは正常なひとらしくただ座って温まっていた。

その後Aは残念そうに出て行き、Bも何もしていなかったので一安心。


俺ももっとハマム内を見てみたかったのでそのサウナを後にし、別のサウナへ行ってみた。
ドアを閉めて座った直後さっきのおっちゃんAが笑顔で登場し俺の横に座る。
付けてきていたらしい。

俺、即座に逃げるため立ち上がるもおっちゃんAが後ろから抱きついてきた。


「こいつ、ガチだ...!こんなとこで掘られてたまるか!命に変えても処女は守る!!」


俺はフルパワーでおっちゃんAのホールドを振り払う。
ボクシングをやっていたからとっさに出るのはパンチだと思っていたが違った。
気付いたら首を絞めていた。

俺のサイコパス度に相手も怯んだのでその隙に脱出。
サウナをでたら三助のおじさんにちょうど呼ばれたので、そのまま個室にいってアカスリ開始。

全身から垢がでてきて気持ちいいと言いたいところが、さっきの事件のせいで全くリラックス出来ない。そして何故か三助のおじさんがめちゃくちゃ笑顔でアカスリをしてくれる。その時の俺にはそのニコニコはニヤニヤにしか見えず、


「まさかこいつもか...!?」


と疑心暗鬼が加速する。
結果的にはチップ目当てだったわけだが、もう二度とハマムに行くことはないだろう。


宿に帰るとW杯の日本vsコロンビアがやっていてコロンビア人の観光客が騒いでいた。
疲れている俺はあまり関わらないようにしていたが、日本が勝ったおかげでコロンビア勢にがっつり絡まれた。



写真を撮る時にコロンビア女性と肩を組むとしみじみ実感する。
やっぱり僕は女の子が好きだ。


そんなことを考えながら肩越しに香る女の匂いを少しでも多く取り込むため俺は、鼻を膨らませていた。





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